※2018/08/20更新
先日SNSのTLを眺めていたら、少し賑わいを見せている“ある話題”が目に入ってきました。
それが下記記事です。
嫌煙家による喫煙者断罪エントリですが、簡単に言うと「(害しかないので)禁煙しましょう」と言う内容です。
ネタなのか本心なのか、はたまた狙ったのかはご本人しかわかりません。しかし内容は正直大分独りよがりで偏っています。
“炎上狙い”と揶揄されても仕方がない内容で、コメントをみる限りでもその辺りは明白です。
ご興味のある方はぜひ合わせてご覧ください。
ただ、私は元喫煙者、そして現在禁煙した(ている)立場からあえて言わせてもらうと、“言わんとすることはわからないでもない”というのが正直な感想でした。
これまでも言い続けていますが、世論は完全に禁煙ムード。
ニコチンは依存以外の何者でもありません。
これだけ騒がれているにも関わらず、完全撤廃とならないタバコ 。酒同様、国が認めた嗜好品ですが、今後の“付き合い方”について、私なりの意見を述べていきます。
果たしてマナーを守りさえすればいいのか?!考えてみようぴょん!
非喫煙者はこれまでどれだけ我慢してきたのか想像してみるにゃー!
喫煙に寛容な国ニッポン
ほんの一昔前までは、路上喫煙も当たり前でしたし、公共施設はもちろん、駅構内、飲食店、レジャー施設などどこでも喫煙が可能でした。
むしろ喫煙がステータスのような風潮さえあり、かつては『喫煙者=仕事ができる人』だったような気もします。
現在ではそれが真逆となり、『喫煙者=仕事ができない人』のような風潮が流れ始めています。
また、“喫煙者は雇用しない”方針を打ち出した企業が評価されていたのも記憶に新しいですし、こういった企業は今後ますます増えていくでしょう。
とはいえ、正直これらの風潮に関しては、いささかやりすぎ感は否めません。
というのも、喫煙休憩や受動喫煙による周りの害はさておき、喫煙と(仕事ができるかどうか含めて)人間性は何ら関係ないですからね。
しかしながら、100%害とわかっているタバコ(喫煙)に対し、海外からの情報がいくらでも入って来る現代社会で、淘汰されないわけがありません。
加えて、これまで我慢し続けて来た非喫煙者がここぞとばかりに猛反発しているのではないかと個人的には思っています。
昔の喫煙率は異常
photo by http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd090000.html
厚生労働省公開のJT(旧・専売公社)の調査によれば、昭和40年(1965年)では男性の喫煙率は82.3%にものぼります。
それが平成29年(2017年)では28.2%と3割を下回っています。
かつては映画館や病院、駅構内など、どこでも吸えたタバコですが、今後はさらに喫煙者にとっては厳しい時代になるのは間違いありません。
昔は男尊女卑の喫煙大国だったぴょん!
女性はずっと10%代、ここ4年は10%を下回ってるにゃー!
タバコ は依存度の高いドラッグ
下記リンク先でも別のソース元を紹介していますが、ニコチンはヘロインやコカイン、そして酒同様依存度の高いドラッグとしてよく分類されます。
今回は、ビジネスインサイダー(元ソースはInstitute of Medicine)をソース元としてお伝えします。
煙草の中毒性
photo by Cigna shows massive problem with opioid painkiller epidemic - Business Insider
- 青グラフ(General population who had ever used):これまで使用していた一般の人口
- オレンジグラフ(General population who became addicted):中毒になった一般の人口
※anti-anxiety durugs:抗不安薬
上記のグラフは“(人々が)ハマるドラッグ”を示したものです。
アメリカの統計なので、マリファナの水準が高くなっていますが*1、タバコの中毒性はダントツの1位(24%)です。
次いでアルコールが13.8%、マリファナが4.1%です。
これまで常用していた数値ではアルコールの方が92%と高く、ニコチンは76%にとどめています。
ここから読み取っても、海外では何年も前から喫煙に対して厳しいからか、アルコールに比べ通常の使用者は少ないのが見て取れます。
禁煙後進国の日本、今まさに転換期が訪れているのかもしれませんね。
ハマっちゃうのはむしろしょうがないぴょん!
だって合法だにゃー!酒と一緒で程よい陶酔感得られる嗜好品なんだにゃー!
簡単には切り離せない2兆円超の税収
photo by http://www.mof.go.jp/index.htm
販売数量は年々下がってきているものの、たばこ税の税収は2兆円を越す大きな財源です。
年々減少してるにも関わらず、税収の合計にほとんど変化がないのは、みなさんがご存知の通り、たばこ税が増税されてきているからです。
日本のたばこ税はそこまで低くない?!
しかしながら、(ここも論議がずっとされていますが、)日本は70%を超える税率の西欧諸国と比べると、まだまだ比較的ゆるい税率です。
photo by http://www.mof.go.jp/index.htm
とはいえ、60%は超えているので、アジア(中国やインド他東南アジアなど)やアフリカ諸国と比べると決して低くはないともいえます。
そして今後は、紙巻きたばこ1本が3円になるとも言われ、増税・値上げは避けられないでしょう。
時代が変われば税率も変わるし値段も変わるぴょん!そして販路も誰でも買える自販機からコンビニに移って来たぴょん!
厚生労働省の2016年の『喫煙の健康影響に関する検討会』内の資料によると、「たばこ販売の約 3分の2はコンビニエンスストアが担っており、コンビニエンスストアにとっても、たばこは全体売り上げの約4分の1を占める商材となっている」らしいにゃー!
つまり、コンビニの売上を支えているのは実はまさにタバコにゃー!
これからのたばことの付き合い方について
世界的にはバンされている喫煙ですが、すぐに“一気に”税制改正(値上げ含む)とならないのも理由があります。
政府は、反喫煙キャンペーンでクリーンなイメージを諸外国に植え付けたいでしょうし、その反面喫煙者から医療費を搾り取りたい。
JTは、自社製品(紙巻きたばこや電子タバコ:プルームテックなど)をどんどん売りたいでしょうし、その税収に政府は頼っています。
そして、増税により税収がどう変化するかは実際のところ未知数。
さらにはエンドユーザーの反発などなど、その他様々な理由が考えられ、慎重な対応を取らざるを得ないのも現実です。
ただ、増税で喫煙者が減り税収が減る(減収する)ことも懸念される一方、一箱1,000円を越すタバコが売られる海外では、うまくいった(増収の)ケースもあります。
私は喫煙率は減ると思いますが、辞められない(やめる気がない)一部の層が必ずいるので、税収は横ばいを維持すると思っています。
一部商材では値上げは決定事項ですし、一本あたり3円とは言わず、日本でも近い将来、一箱1,000円の時代がもうすぐそこまで来ているのかもしれませんね。
さらなる値上げで治療へ
前述の通り、喫煙は依存症です。
現在は禁煙外来も保険適用となり、負担も軽くなりました。
非喫煙者からすれば、「貴重な医療費を喫煙者なんかに回すな」というのが本音でしょう。
また、実際有害物質を多く含むたばこを勝手に吸って、勝手に病気になられても「そんなの知らんがな、自己責任でしょ」と言いたくなる気持ちもわかります。
でも、たばこを買っているのは紛れもなく喫煙者。
その喫煙者が自分たちのために税金を納めていると思えば何ら腹立たしくありません。
そして、さらに値上げをして医療費のみならず、福祉など(すでに使われているみたいですが)他の財源に使えられればいいのではないでしょうか。
受動喫煙について
私は元々自分の副流煙も嫌いだから余計にそうかも知れないけど、禁煙すると非喫煙者は日常生活でかなり我慢して(きてい)るなってのがわかるわよ
— つっちー。 (@EN__project) 2018年3月28日
コンビニの喫煙所とかも全然意味ないわよ、あれすげぇ臭いわよ、近すぎるわよ、子供いると余計気になるわよ
分煙も割と意味ないわよ、普通に臭いわよ
私は自身のものも含めて、副流煙が嫌いです(した)。特に、紙巻きタバコはかなり煙が出ます。
ですがあの煙、実は“ペーパーのせい”でもあるんです。
私は20年来の喫煙家ですが、手巻きたばこをずっと吸っていました。
理由は味が一番ですが、ペーパーを選べるから*2と言っても過言ではありません。
手巻きタバコにはペーパーを別途購入する必要はあるものの、「煙が多く早く燃えて巻きやすい厚みのあるペーパー」と、「煙が少なくゆっくり燃えて巻き辛い薄いペーパー」まで、タイプを選べるんです。
私は煙が少ない後者を利用していました。
少し余談でしたが、そうは言ってもたばこはたばこ。非喫煙者からすれば臭いことに変わりありません。
たばこ=害はすでに定説ですからね。
そして非喫煙者となった今、非喫煙者は喫煙者が思っている以上に我慢している(た)ことがよくわかりました。
喫煙者は思っている以上に迷惑をかけている
実は同様の内容をツイートしたんですが、30m離れていても風下ならタバコの匂いを感じますし、(屋外などの)喫煙所で例え吸っていたとしても、風下にいれば確実に匂います。
正直、完全に密閉され隔離されたスペースでもない限り確実に匂います。
また、最近は二次喫煙(受動喫煙)はもとより、三次喫煙(残留受動喫煙またはサードハンドスモーク)もよく話題になりますが、これらもかなり不快感を与えています。
長年喫煙経験のある私ですらわかるので、生粋の非喫煙者は不快そのもののはずです。
さらに言えば、比較的新しい用語ではあるものの、三次喫煙による健康被害の研究結果も実際に出ており、二次喫煙同様多くの発がん性物質を含んでいると言われています。
しかしながら、三次喫煙の健康被害はさておき、個人的には正直これは騒ぎすぎている風潮はあると思います。
ただ、非喫煙者からすれば、喫煙者がいた後の部屋や付着した服や髪の匂いは一発でわかります。
非喫煙者(特に匂いを嗅いだだけで吐きそうになるような人)は、それぐらい嫌な思いをしているということを頭に入れて置いてください。
喫煙はマナーを守れば共存可能か
個人的には「否!」です。
なぜなら、前述の通り、どれだけマナーを守っていても匂いはするからです。
私の結論としては、喫煙者と非喫煙者はのどちらか一方が我慢する以外解決策はないと思っています。
どれだけ議論しても相入れることはありませんし、平行線です。
これまで同様、時代に合わせてどちらかが我慢をし、歩み寄りをするしか解決策はないんです。
個人的には、アイコスなどの電子タバコも臭いと思っているので、健康被害云々はさておき同じだと思っています。(実際わからない部分もまだまだ多いですしね)
喫煙者でもカラオケボックスとかパチ屋とか居酒屋とか匂いが染み付いている部屋とかに入ればちょっと不快な匂いわかるはずぴょん!肩身が狭くなるのは確実だからそれを覚悟して吸うぴょん!
でも田舎はまだまだ路上喫煙者多いにゃー!地方も少しずつ変化していかなきゃならないニャア!
あとがき
そもそも、日本たばこ産業(JT)の株式の約33%を財務省が保有しているというのも、なんとなくお察しな感じもしますが、実はたばこ税、はっきりとした使い道はわかっていません(使い道が細かく公開されていない)。
日本を除く先進国諸国(特にヨーロッパ)では喫煙はとうの昔に“悪”とされ、パブリックスペース(公共の場)では禁煙ですし、飲食店も多くの場所で禁煙となっています。
屋内禁煙法には賛否ありますが、喫煙文化に対して10年遅れの日本もやっと舵を切り出したわけですね。
喫煙率が2割を割ったら、昭和40年頃の非喫煙率と逆転することになります。
そんな時代がすぐそこに来ているのかもしれません。
綺麗事を言って来ましが、できる限りマナーを守っていたとはいえ、私自身も路上喫煙はしょっちゅうしていましたし、当事者の時はわからないんですよね。
喫煙者の方は頭の片隅にでも入れて置いていただければと思います。